
症状は3歳までに生じることになっており、就学前後までは症状が華々しいことが多いですが、年長になるにつれて残遺状態となることが多いです。年長になって受診した場合は、成長段階の行動について詳しく調べる必要があります。
1歳くらいまでは手がかからなかった、あるいはハイハイした頃から大変だったと記憶は分かれることが多いです。2歳まででは、刺激に対する極端な反応、人見知りがない、呼名回避、言語遅滞、偏食などが目立ちます。就学までには、多動で迷子になる、玩具に興味を示さない、玩具を本来の目的に使わない、独り遊びを好む、形式的な遊びにとどまる、こだわりがめだつ、ぐるぐる回っても目が回らない、視線回避などがあります。
就学後は、一時的に安定しますが、知的水準や言語遅滞の程度により、パニックが生じたり、睡眠障害がみられるようになります。特に、小学校高学年になると、男子は母親より体力が強くなるため、家庭や学校での対応が難しくなります。(市川宏伸)