東京都子供の心診療支援拠点病院事業

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よくあるご質問


クエスチョン自閉症の行動上の特徴はどのようなものがありますか?
アンサー症状は3歳までに生じることになっており、就学前後までは症状が華々しいことが多いですが、年長になるにつれて残遺状態となることが多いです。年長になって受診した場合は、成長段階の行動について詳しく調べる必要があります。
 1歳くらいまでは手がかからなかった、あるいはハイハイした頃から大変だったと記憶は分かれることが多いです。2歳まででは、刺激に対する極端な反応、人見知りがない、呼名回避、言語遅滞、偏食などが目立ちます。就学までには、多動で迷子になる、玩具に興味を示さない、玩具を本来の目的に使わない、独り遊びを好む、形式的な遊びにとどまる、こだわりがめだつ、ぐるぐる回っても目が回らない、視線回避などがあります。
 就学後は、一時的に安定しますが、知的水準や言語遅滞の程度により、パニックが生じたり、睡眠障害がみられるようになります。特に、小学校高学年になると、男子は母親より体力が強くなるため、家庭や学校での対応が難しくなります。(市川宏伸)

クエスチョンADHDは治りますか?
アンサーADHDはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略で日本語では注意欠陥/多動性障害といい、脳の機能不全によって起こる発達障害の一つです。 発達障害とは「発達が遅れている」・「他の子どもと発達の仕方が違う」と言う意味です。このような特徴は持続しますが、一方で子どもの成長につれて発達も続き、思春期や大人になると症状が軽減・消失する人もいます。
 ADHDの3つの症状は「多動性」(じっとしていられない)「衝動性」(よく考えずに行動してしまう)「不注意」の3つです。軽い場合には環境の調整で症状を改善できますが、重い場合は薬物などの治療が必要になることもあります。学校では、窓から離れた席に座らせる、静かな子どもの横にすわらせる、教師の目の前に座らせるなど、気が散りにくい環境を作ることが役に立ちますので、学校の先生に協力を仰ぐことも大切です。

クエスチョン子どもを病院に連れて行きたい場合、どのように説得すればよいか。
アンサー本人に医療機関の受診について説明する場合は、「君のこんなところが悪いから」、「みんなが迷惑しているから」というような説明ではなく、「眠れなくて疲れがとれないように見えるよ」、「イライラしていてとても辛そうだ」、「学校に行かれないことで苦しいのではないかと思う」など、本人の「辛さ」や「苦しさ」に焦点をあてて話をするとよいと思います。

クエスチョン障害が認められた場合、本人にどのように告知するべきか。
アンサーまず、本人が自分を受け入れられる状態であるかどうかを、医師と保護者でよく相談します。気持ちや行動が荒れている状況や、自己評価が低い状態で告知をすると、「障害があるから悪いのだ」と、子ども自身が自分で頑張る力を失ってしまうことが多いように思います。また、周囲の人間が「告知することで本人に変化してほしい」という気持ちで本人に障害名を伝えることは避けてください。
 「色々大変なこともあったけれど、よく頑張ってきたね。こんなことも、あんなこともできるようになったよね。でも、やっぱりとても苦手なこともあるよね。それは、君の頑張りが足りないのではなくて生まれつき持っている脳の特性のせいなんだよ。苦手な部分には誰だって工夫が必要だし、その工夫についてはこれからも一緒に考えたいし、サポートしていきたいと思っているよ。」といったように、「障害や特性の告知」は、「本人が努力してもうまくいかない部分をこれからも支え続ける」という姿勢とともに行われるべきだと考えます。

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